点眼の使用量計算 何滴使える?
点眼一本で何日分使えるの?
初めて使う点眼では容量と使用回数は添付文書に記載があるが、何日分あるのかわからないと思います。実際の使用経験から予測している方がほとんどだと思います。
一応計算より日数計算できます。
一滴を50μl(点眼容器の種類・手技により変化するが50μlで固定)
点眼一本5ml(5000μl)
これを計算式にすると
(5000μl)÷(一日使用滴数)=何日分
例
一日二回 両目
5000μl÷(4滴×50μl)=25日
一日3回 両目
5000μl÷(6滴×50μl)=16.66≒17日
実際の一滴の量はノズルのフラット部分の直系によって決まる。
薬液の表面張力によっても変化する。
点眼容器の傾きがあるとき、水平で点眼するときと比べ一滴の量が変化する。
表面張力が大きい点眼では一滴量は減少します。逆に表面張力が弱いものは多くなる。
そのため常に一定の液量を点眼するためには同じ角度で点眼を行う必要があります。
マスクの性能
新型コロナウイルスの影響でマスクの購入が困難となっています。
東京でもヒノキの花粉も飛散し始めるたとあり、花粉症の方にとってはしんどい時期となってきてます。
例年では自分に合うマスクを使用していると思いますが、どのマスクも売り切れ状態で普段使用しているマスクを入手できません!!という人がほどんどだと思います。
カーゼマスクや自作マスクを使っている方いるとのことで、カーゼマスクでも花粉を防げるのかまとめました。
ブタクサ花粉(19~24μm)の捕集率
不織布単一素材のみのタイプは 99.5~99.9%、
不織布と各種フィルターを組み合わせたタイプは 99.9~100.0%
ガーゼと各種フィルターを組み合わせたタイプは 99.8~100.0%、
ガーゼのみのものは 99.9%
ガーゼでも花粉サイズの捕獲率は100%に近い結果とのことで、どのマスクを購入しても花粉は防げます。
そのため花粉を防ぐためなら安いマスクでも問題ないです。しかしどのマスクのフィルターは花粉を捕獲するが、顔とマスクの隙間から入ってくる花粉は防げないため、顔に合ったものを選ばないと、花粉の症状が出てしまいます。
マスク装着時の花粉捕獲率は20%低下した結果もあるのでサイズは重要です。
花粉などの捕集をうたったマスク
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20040205_2.html
マスクの性能
新型コロナウイルスの影響でマスクの需要が急激に伸びているため、マスクの性能について調べてみた。
少し情報が古いが
ウイルス対策をうたったマスク - 国民生活センター
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20091118_1.pdf
国民生活センターのマスクの商品テスト結果
花粉などの捕集をうたったマスク
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20040205_2.html
ウイルス対策をうたったマスク-表示はどこまであてになるの?-
http://www.kokusen.go.jp/test/data/s_test/n-20091118_1.html
こ
コンタクトレンズと点眼
コンタクトレンズを使用しており、点眼を使用している人も多いと思います。
特にドライアイの方は頻回使用すると思います。
眼科ではコンタクトを外して点眼を使用してくださいと聞いた方もいると思います。
市販の点眼の使用上に注意にも
コンタクトレンズの装着液として、また、コンタクトレンズを装着したまま使用しないでください。
と書かれているものが多いと思います
なぜコンタクトレンズを装着したまま点眼を使用できないのか
根拠としては
防腐剤であるベンザルコニウム塩化物が含まれているからです。
水に容易に溶解し、かつ防腐効果に優れているため最も広く用いられていますが、高濃度では角質の蛋白質を変性させ、角膜や結膜の上皮剥離、欠損が起こることが報告されています
そのためコンタクトレンズにこの物質が吸着し、長時間接触することで角膜障害等の副作用のリスクあるため使用しないでくださいとなっているのです。
なぜ点眼に防腐剤が入っているのか
点眼剤は無菌的に調整されていますが、そのpHや浸透圧が微生物の発育に適してお
り、さらに開封後は手指あるいは結膜嚢や睫毛との接触により微生物の2次汚染を受け
る可能性があるため、防腐剤が添加されます。
点眼剤の添加物は眼組織への影響を避けるため、最低濃度にとどめて添加されており、涙液動態が正常な場合、通常の用法用量での点眼ではほとんど影響を与ないです。
点眼の5分間隔の根拠
2種類以上の点眼を使用する際には5分以上開けると聞いたことがある人は多いと多いと思います。
しかしなぜ5分なのか解説します
5分の根拠としては
涙液の交換率(入れ替わる速さ)は毎分8~15%
そのためですべて入れ替わる時間を計算すると
100/8=12.5分
100/15=6.66分
6.66分~12.5分ですべての涙液が入れ替わっていることになります。
最速6分で薬液が消失していることになるので、これが5分は間隔をあける根拠の一つです。
また、涙液の産生量は1.2μlと言われており、結膜嚢内の涙液量は7μl程度なので
7/1.2=5.83分
5分近くで涙液が完全に置き換わる計算となります。
5分より短い時間で点眼を使用しても、先に点眼した薬液が吸収される前に結膜嚢内からあふれ出てしまいますので効果が十分に得られない可能性が高くなります。
実験でも
白色ウサギにピロカルピンを点眼した場合、房水中の Cmax について、以下の報告(J.W. Sieg and R.Robinson,J.Pharm.Sci.,65,1816(1976))があります。
(1) 30 秒後に生理食塩液を点眼すると、ピロカルピン単独に比べ、約 70%
減少する
(2) 2 分後に生理食塩液を点眼した場合、同様に約 30%減少する
点眼を複数使用しており、5分待つというのはかなり面倒と思いますが、効果を見込めない使い方をしても無駄となるので、しっかり5分間隔をあけるようにしましょう。
点眼の吸収
点眼の流れ
1.薬液は涙液と混合
2.結膜嚢(下まぶた)に貯留
点眼した薬のほとんどは目の周囲に付着や眼外へ流出する
3.薬液の眼球内移行
薬液の眼球内への移行には角膜を透過するルートと結膜から強膜を透過する2ルート
点眼の量
点眼をする際、何滴使用してますか?
点眼は一滴で十分な量があります。
その根拠は、点眼の一滴の量は30~50μlです。
滴下した薬のうち、角膜・結膜上に残った薬は涙との混合液となり結膜嚢(下まぶた)に貯留します。
下まぶたの最大容量は30μlであり、すでに涙液が7~8μlほど貯まっていいるため、22~23μlが貯められる量となります。
そのため点眼の一滴でも下まぶたの中に収めることは不可能であふれ出てしまいます
そのため一滴で十分なのです。